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漫画の話『傷だらけの仁清』

10年ほど前に全15巻で完結した、猿渡哲也先生作の『傷だらけの仁清』についてです。
本日、ブックオフを何気なく歩いていると、懐かしいこの漫画を見つけました。

この漫画をわかりやすく言えば、バイオレンスヒューマンドラマ ですかね……
一見相反するジャンルのように見えますが、言い得て妙かもしません。

迫力のある格闘、バトルシーンに加え、ホロリと来るようなエピソードもある、
私の好きな作品の一つです。

◆あらすじ&レビュー

姓は永井、名は仁清。この世に生まれた時から、親に「いらない子」とゴミ置き場に捨てられた男は、「」を求め極道の世界に入り、剣林弾雨を受けても怯まず、素手で敵対する者を倒す事から、「ステゴロ仁清」と伝説の漢として恐れられていた。ある日、円城寺の一人娘のあゆみを助けたことから、仁清の新たな人生が始まった。

引用:傷だらけの仁清 - Wikipedia

 

伝説の超武闘派ヤクザの主人公「永井仁清」が、ひょんなことから足を洗い、
正義感の強い警察署長一家、円城寺家の使用人になる、
というのがこの漫画の骨子です。


円城寺家の当主(警察署長)、妻、娘は仁清を使用人というよりも、
「家族」として迎えており、仁清は今までヤクザとして後ろ暗い生き方をしていた分、
円城寺家の人々と、家族のように生活できることを何よりも幸せに感じ、
この日常を守り、円城寺家の人々を守るためなら命を捨てても構わないと誓います。

ただ、元ヤクザと現警察署長ということで、色々と敵も多いわけですね。
物語では、円城寺家の娘がさらわれたり奥さんがさらわれたり
命を狙われたり最悪、最凶という二つ名のヤクザと敵対したり
この漫画、最凶、最悪って二つ名のヤクザ多いんスよね。

 

その都度、主人公の仁清が出張って、拳一つで相手をぶんなぐって解決、
というある意味テンプレめいたストーリー展開です。

そのほかにも、虐待をする家庭の養父をぶん殴って子供を救ったり、
道端でヤクザに因縁つけられている親子を、ヤクザをぶん殴って助けたり、
とハートフルなヒューマンドラマもあります。

大体話の流れはどれも似たようなものなんですが、
面白いんですよ、それが。何よりも仁清がいい性格しています。
元超武闘派ヤクザにもかかわらず、弱い者いじめはもってのほか、
一般人や子供には優しく、悪人には容赦ありません。

ただ隙の無い人間ではなく、性格は情に厚く、涙もろいんです。
漫画内でも「あんなに泣き虫のヤクザ、見たことねぇ」といわれるぐらい、
心根の優しい性格をしてて、確かにちょいちょい泣いています。
あと、薄くなった頭皮を異常に気にしているという描写も、
コミカルで親しみやすさがありますね。

ただ仁清って元はゴリゴリのヤクザで、
そこら辺の過去の償いの話は特にないんスよね。
いいんスかこれ。

その他、緻密で繊細な画力の迫力満点のバトルシーン、
仁清含む登場人物たちの人間臭いセリフや表情、息遣い、
どれもが活き活きとしていて、あっと驚く展開はないけど読んでて面白いんですよね。


何気なくブックオフで「懐かしいなぁ」と思って1巻を手に取ったら、
気づいたら4時間ぐらい経過していました。


全15巻とそう長くもないと思いますし、
時たまネット上でも1巻無料キャンペーンなどやっているので、
機会があれば読んではいかがでしょうか。

~終~